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鏡開きの「正しい」やり方

鏡開きの「正しい」やり方

060704

蓋を叩き割ればパッカーンと景気よく割れると思っている方が相当数いらっしゃいますが、それはまず不可能だと思ってください。

最近巷で話題のあの飲食店&酒販店さんのこちらの記事が思い切り間違えていました。

実はよく知らない?!正月の恒例行事「鏡開き」に関する疑問を解消!

前半の由来等は合っていると思います。
「鏡開きには何が必要?」の箇所からが問題です。

酒樽

鏡開きに使う酒樽。主に一斗(18リットル)樽が使用されます。日本酒に杉の木の香りが溶けこんで、変わった風味を感じることができます。

上記は「主に一斗樽が使用されます」が語弊あり!

当店で販売されるうち、確かに年末年始は本数で言うと一斗樽が一番売れています。
ですが、オフシーズンになると何故か大きな樽が良く売れます。
去年秋の実績だと、一斗が1割、二斗が5割、四斗が4割という感じで大きなサイズが検討しました。ただし最近の傾向としては、パーティで振る舞った場合などにお酒が余ってしまう事が多いらしく、四斗満タンのオーダーは殆どありません。
大体が上底をした樽に36リットルあるいは18リットル入れたものをお求めになります。

槌・締木

樽の上部についているタガ(竹)を外すために使用します。

この部分ですが、絶対にタガを外してはなりません!
タガを少し下げたほうが樽の蓋は開きやすくなりますが、接着剤や釘を全く使わない国産の樽においては、タガが樽を固定しているのです。
この時タガを外すとどうなるか……?みなさんお分かりでしょうか。
豪快に樽は1枚1枚バラバラに分解、中のお酒が全部溢れますよ。
絶対にタガを外してはなりません!
大事なことなので二回言いました(笑)

鏡開きには2パターンある

鏡開きには槌で蓋を豪快に叩き割るパターンと、釘抜きやバールなどで蓋をゆっくりと開けるパターンの2つが存在します。めでたい席では豪快に叩き割るというイメージが強いかもしれませんが、槌で蓋を叩き割る場合は中身のお酒が飛び散りますので注意しましょう。

恐らくどんな怪力でも「槌で蓋を豪快に叩き割」れません(笑)
何故なら運送する際にお酒がこぼれないよう、樽の蓋はガッチリとしめられているからです。

実際はどうやるのか

蓋は事前にバールやのみで開封しておき、再度蓋の形に組み合わせて樽の上に乗せて、それを叩きます。軽く叩いただけでも大丈夫!
満タンだったり上底の樽だと勢い良く叩くと飛び散ってしまいエライことになります。
会場の汚損になりかねません。お気をつけ下さい。

それからワンポイントアドバイスですが、樽は釘を使っていないメーカーのものを購入なさった方がいいと思います。ちなみに当店扱いの樽には釘は打っておりません。
それ以外の市販の樽がどうなのか実際わかりませんが、当店扱いの樽の酒造メーカーの社長様が一度安価に樽を作れないかと輸入してみたことがあるけれど、接着剤を用いていてなおかつ品質が悪くてとてもじゃないけれどお酒を入れる気になれなかった、と仰っていました。
やはり釘や接着剤を使わず木を組むのは日本ならではの卓越した技術ですからね。
接着剤を使えば中のお酒に溶け出す可能性があるし、釘を使えば錆びてしまうことも考えられます。
きちんと造られた手作りの国産樽の原価はなかなかのものですし、そこに良質のお酒を注ぐことでそれなりの価格になってしまいますが、樽の作り、菰、中のお酒と全て良質なものが揃った時に、本物の価値が生まれるのではないかなと私は思います。

今回、偉そうに書いてしまいましたが、それは間違えて伝えたあの記事を決して貶したいわけではなく、間違えた情報を正しいと読み手が思い込んでしまう被害を食い止めたいがための事なのです。

実際、「木槌で叩いたのに割れない!」と蔵に苦情が来ることがあるそうですよ。
蔵もいい迷惑でしょうし、我々販売店としても、もし苦情を出したお客さまが私が販売したお客さまだった場合、蔵から販売店が怒られてしまいます。←経験談です。(笑)

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